Hodoku Collection

ほどく、心を。
ほどく、常識を。

真珠を採り終えたアコヤ貝から生まれた釉薬を、日本で初めて*開発しました。
この釉薬を使い、ジュエリートレイ、お猪口(がぶのみサイズ)、抹茶ボウルを制作。
色は、早朝の海を思わせる淡いアイスブルー。すべてが一点物です。

器の底には、使い終えたあとに心をほどいてくれる日本語を、ひとつずつ刻みました。

この器が、日々の暮らしの中で、
凝り固まった常識や、こわばった心を、
そっとほぐしてくれますように。

=====

デザイナーメッセージ

ANNA DIAMONDでは、毎年国産アコヤ真珠の産地・愛媛県を訪れ、色や形がユニークで、なおかつ品質基準を満たす真珠のみを選び、ジュエリーに仕立てています。日本のアコヤ真珠は、世界で最も美しい真珠として知られ、140年以上の歴史と養殖技術の積み重ねに支えられています。1粒ができるまでにかかる年月は、3〜5年。多くの真珠養殖家は代々受け継いだ技を大切にし、まるで家族のように真珠と向き合っています。

そんな産地でふと抱いた疑問がありました。「真珠収穫後の貝殻は、どうなるのだろう?」。話を聞くと、一部海外へ輸出されるものの、大半は活用されることなく産業廃棄物として処分され、埋立地をひっ迫している現状があるといいます。真珠をいただく者として、残された貝殻にも新しい価値を与えられないだろうか――そんな想いから、潮の香りいっぱいの貝殻を持ち帰ったのが、このプロジェクトの始まりです。 

しかし、長い年月を自然界で過ごした貝殻には、小さな他品種の貝や生き物が完全に結合しており(タコが入っていたこともありました)、純粋な貝殻の状態にするまでには大変な労力を要しました。その後も活用方法を探し求め、日本中を文字通り走り回る日々が続きます。

転機となったのは、九谷焼の製土を担う谷口製土所・3代目 谷口浩一さんとの出会いでした。九谷焼の歴史は17世紀の加賀藩(現・石川県)に遡ります。九谷焼は鮮やかな色彩や大胆なデザインが特徴として知られていますが、その美を支えるのは土の繊細さです。石川の地で採れる花坂陶石を粉砕した陶土は清らかな白を基調とし、焼成後には透き通るような美しさをたたえ、九谷焼特有の色鮮やかな色彩を際立たせています。昭和26年創業の谷口製土所は、70年以上にわたり九谷焼特有の美しい土を作り続け、地域経済や文化伝承を支えてきました。

谷口さんとともに、塩分除去や粉砕など数々の課題に挑み続け、無理難題にも多くの方々が知恵と力を貸してくださいました。その積み重ねの先に、ようやく「陶芸の釉薬」として貝殻を生まれ変わらせ、器として形にすることに成功しました。

もちろん、このお皿ひとつで廃棄問題を解決できるわけではありません。なぜなら、環境や社会の課題は常に複雑で重層的な原因を抱えているからです。

それでも、私たちは今回の挑戦を通して、身近な素材や風景の「当たり前」を見直すことの大切さを改めて実感しました。この取り組みが、ほんの少しでも、あなたの日常にある当たり前を再考するきっかけとなれば幸いです。

  • [ Hodoku ] 02.Gabunomi Ochoko (10月頭より順次ご発送)
    ¥7,150 JPY
  • [ Hodoku ] 03.Matcha Bowl (10月頭より順次ご発送)
    ¥9,350 JPY
  • [ Hodoku ] 01.Jewelry Tray (10月頭より順次ご発送)
    ¥7,150 JPY