#16 ゴールデンレコード / 心を繋ぎ、命を超える

Journal by Haruna Mori

#16 ゴールデンレコード / 心を繋ぎ、命を超える

2026年06月30日

新しく入ってくれたチームメンバーから、「ゴールデンレコードを知っていますか」と聞かれた。あまりピンと来ない顔をしていたら、一枚の写真をスマホで見せられた。


なんだか大昔の宇宙人の宝物コーナーに眠る逸品のような、不思議な佇まいである。
これは、1977年にNASAが打ち上げた探査機ボイジャーに搭載された、金メッキのレコード盤。
一言で説明すると、「宇宙人に向けた“地球人の紹介総集”(!)」である。


「これ、宇宙を漂い続けて49年、今は地球から約240億キロメートル離れた場所にあるんです」と、目を輝かせながら説明してくれるチームメンバー。

このレコードには、55の言語による挨拶、世界中の27曲の音楽、波や風、鳥や鯨の鳴き声、そして115枚の写真まで。言語、音楽、建築、食べ方、暮らし方と、私たちの命と心を取り巻くあらゆることが記録されている。

この話を聞き、私は、“地球人の紹介総集”に音楽や建築が含まれていることに感動した。地球人の命の説明としては、人体構造や食事の項目で十分であろう。しかし、地球人の心の説明として、音楽や建築のような“美”が不可欠であったのだ!ここから読み取れる「我々は、“美”で心を繋ぐ生命体です」という自己紹介の姿勢が誇らしく、貴重な命を地球人として頂けたことに胸が熱くなる。

そして、このレコードの表面には、変わった記号が刻まれている。このレコードを発見した宇宙人が、どんな星在住であれ、どんな言語を使う相手であれ、誰でも中身に触れられるように、レコードの再生方法と地球の在り処が、いくつかの記号で記されているのだ。
(パルサーという星の位置を手がかりに、地球の在り処を示しているという。)

一通り、夢のようなレコードの話を聞き終えて、一人で鳥肌を立てながら感動していたら、彼女はこう続けた。

「自分自身の人生も、ゴールデンレコードのように素晴らしい瞬間でいっぱいにしたい。それと同じくらい、誰かのゴールデンレコードの一部になるような仕事がしたいと思っているんです。」

それで、ANNA DIAMONDに入ってくれたのだという。

その言葉を耳にしたとき、5年前、ANNA DIAMONDを立ち上げた頃を思い返した。
ジュエリーをお届けすることは、“物品の販売活動”の範囲を超える意味を持つ行為だと思う。私がANNA DIAMONDを立ち上げたのは、「私の命より長く続くものを作りたい」から。極論、ジュエリーを販売したいのではなく、誰かの人生にとって価値のある記憶や物語をお届けしたかったのだ。

これまでANNA DIAMONDでは主にファッションジュエリーを扱ってきた。そして、この夏から、いよいよ本格的にブライダルジュエリーを制作する。かねてよりの念願だ。

より一層、お客様の心を繋ぐための“美しいもの”を、お客様の命を超える品質で叶えていきたい。ブライダルジュエリーを通して、トレンドや消費主義と遠い位置にある、誰かの人生にとって価値のある記憶を残せたら、こんなに嬉しいことはない。

私たちの指輪が、あなたのゴールデンレコードの一部になることを願って。

ANNA DIAMOND Founder / Designer
森春菜


Image: NASA/JPL-Caltech

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