フィガロジャポン掲載
「パリに来て、1年が経ちました」

madame FIGARO japon 2026年11月号の特集「憧れのパリへ!移住計画。」で、パリに住み始めて間もない3人の座談会に呼んでいただきました。
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4年前、初めてパリに来ました。
季節は秋だったと思います。ひんやりした空気の朝、借りていた宿で目を覚まして、あ、私、ここに住みたい、と強烈に感じたことをよく覚えています。
それから2年ほど、ANNA DIAMONDの展示会でパリに通うようになりました。現地で奮闘する友人たちとの出会いが重なって、パリに住むことが本格的な選択肢になっていきました。
そして2025年の10月、夫と愛犬のバーディと一緒に、パリ15区に引っ越してきました。


座談会では、好き勝手に楽しくおしゃべりをしていただけなのに、編集の鈴木桃子さんがとても魅力的な記事にまとめてくださいました。ぜひ、実際に手に取り、ご覧いただければ幸いです。
さて、このジャーナルでは、座談会では話しきれなかったことも含めて、この1年で感じたことを7つにまとめてみます。
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パリに来て、気づいた7つのこと
01. 良薬としての孤独
大切な家族や大親友と東京で別れて、いざパリへ。夫と犬と引っ越したものの、双方入れ違いで出張三昧。夫と共にパリで過ごした時間は、想像以上に少なかった。
無料でLINE通話ができる時代でも、9000kmの距離と7〜8時間の時差は、時に強烈な孤独を与える。東京にいて自分を孤独に追い込むことは至難の業だけど、パリにいるとあっさりと孤独人間になる。そのおかげで内省の時間が増え、本当に自分がやりたいことや作りたいものが明確になる。大切な家族や友人への愛を実感する。
おかげで、びっくりするほど自己理解が深まった。自分の点と点がつながり、立体物として自分の心を理解できるようになった感じがする。孤独は良薬である。ずっと寂しいのは嫌だけど、これからも定期的に孤独を選び取りたい。
02. 暮らしあってこその仕事
東京ではプライベートゼロ。オフィスに寝泊まりする勢いで働きたくて、あらゆることを効率化していた(過激派)。
一方パリは、効率とは程遠い。程よい価格で健康的なご飯を食べるには、スーパーやマルシェに行き、自分で調理するしかない。日曜日、時間を忘れて仕事に集中していたら外は真っ暗、日曜日のパリはほぼ全て閉店、お腹を空かせたまま寝るしかない夜も度々あった。
こうやって強制的に、効率という概念を引き剥がされ、今の私は調子が良い。前から抱えていた身体の不調が、みるみる勝手に回復したのには驚いた。
03. 大地を丸ごと味わう野菜やフルーツ
物価高と言われるフランスだけど、野菜とフルーツは品質の割にお手頃である。その辺のマルシェで買ったフルーツが、カスタードクリームのように甘い。一番衝撃的だったのは、夏のぺちゃんこ桃と秋の白いちじく。パリを離れたら、毎年恋しくてたまらなくなると思う。
04. 近くに川があるありがたさ
ゆっくりしたい日は、決まってセーヌ川かサンマルタン運河に通った。飲み物と本一冊とノートを持って、愛犬といそいそ向かう。
暮らしの中に流れる川。でも、日常の義務から解き放ってくれる神聖な場所でもある。今後どこに住んでも、川の徒歩圏内に住みたい。川が大好きである。
05. 全てがスムーズに進む日本に感謝
ガスや電気の契約、悪夢のWifi契約、謎の水漏れでお風呂なし生活、エレベーターの週一故障など。たった1年で、パリ暮らしと聞くと想像できそうなトラブルを、一通り経験させてもらった。
その都度、ああ日本よ、あなたの素晴らしさを今になってわかりましたと、おいおい実感するのでありました。
06. 五感から入る全てが、インスピレーションになる
街の建築物、公園の花壇に咲く花の色合い、初めて見る野菜のシルエット、おばあちゃん達の服装、老舗カフェの横を通った時に鼻を抜けるクロワッサンの香り。
何十年と慣れ親しんだ土地で継続的に新しい情報に触れるには、相当な体力と好奇心が求められる。一方、新しい土地で暮らすと、ただ毎日生きているだけで、インスピレーションの海で泳ぐことになる。
(あえて綺麗な面ばかり挙げたけれど、実際には、街の暴動を見てその国の人々の暮らしや人生の負の側面に考えを巡らすなど、それもまたインスピレーションになる。)
07. 東京にいてもパリにいても、人生が大きく変わることはない
こんだけ書いておいて、だけど、パリに来たからといって人生は変わらない。遠くまで来たら何かが変わるかもと淡い期待を抱いていたけれど、そんな夢物語はなかった。
自分の周辺環境は多少変わっても、結局大切なのは、自分の心。いつどこにいても、全ては自分の心に由来すると強く感じる。
もっと長く住んでみたら、この感覚は変わるのだろうか。楽しみである。
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パリの手元
誌面に載った小さな写真は、私自身の手元です。
ラボグロウンダイヤモンド、再生金属、あこや真珠。パリのあらゆるものからインスピレーションを受けて、ジュエリーを作っています。
パリでのジュエリーの着け方は、とてもシンプルです。
私が着る服はほぼ全て真っ黒なので、手元は、ダイヤモンドや真珠を自由にMIXして華やかに仕上げます。


本を読む午後も、同じ重ね付けのままで過ごしています。

お気に入りのカフェの大理石と、いつもの重ね付け

Unique Akoya Pearl Ring + Lumière Tennis Bracelet

ディナーには、メタリックなあこや真珠のリングで。
パリの街で撮りためた手元の写真は、Hands in Paris のページに25ルックをまとめています。重ねかたの参考に、ぜひ覗いてみてください。
まだまだパリに来たばかりのヒヨッコですが、この街でガッツをもって、活動を続けていきます。
このmadame FIGARO japon 2026年11月号の一冊には、あらゆる立場の素敵な方々の、移住のうしろにある物語が詰まっています。書店で見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。
ANNA DIAMOND Founder / Designer
森春菜
madame FIGARO japon 2026年11月号「憧れのパリへ!移住計画。」より
photography: Daniel Antropik editing: Momoko Suzuki

















