ANNA MAGAZINE

ラボグロウンダイヤモンドと
天然ダイヤモンドの違いを知る

2022.01.18

ラボグロウンダイヤモンドとは、ラボ=研究室において手間隙をかけて育てられながらも、社会的課題を世に問うた初めてのダイヤ。

今回は、ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドの違いをご紹介します。

生成方法

ラボグロウンダイヤモンドは自然界で採掘される天然ダイヤモンドとは異なり、人間の管理下で生成される「合成ダイヤモンド」です。
ダイヤモンドを人工的に生成するためには、高い技術力と志を要します。

ラボグロウンダイヤモンドの生成方法

ラボグロウンダイヤモンドは、2種類の生成方法から造られます。

1つ目は、天然ダイヤモンドが生成されていく環境を模することによりダイヤモンドを生成するHPHT(高温高圧法)。
天然ダイヤは炭素が結晶化したものですが、地球の深部の1400~1600℃にも上る高温環境下で数十億年かけて生成されるといわれています。

HPHTは研究室で再現された同様の高温高圧環境の中で、炭素からできた黒鉛を原料としてダイヤを生成する方法です。
数十億年をかけてゆっくりと輝き出す天然ダイヤと違い、ラボグロウンダイヤモンドは数週間で天然ダイヤと同じ本物の輝きを放ちます。

2つ目が、CVD(化学気相蒸着法)という生成方法です。
こちらは、メタンガスとマイクロ波を用いて炭素原子でダイヤモンド結晶を合成し、さらに層を育てていく方法です。

天然ダイヤモンドの採掘方法

地球の深部にあるマントル層から、火山の噴火に押し上げられるようにして地表に出現した溶岩。その一部が天然ダイヤモンドの原石です。

天然ダイヤモンドは、この溶岩が噴き上がってくる道にダイナマイトを仕掛け、ダイヤモンドの原石=キンバーライトを回収することで手に入ります。
この爆破によって細かく砕かれた砂利状のキンバーライトが流れ着き堆積した場所で、重機を用いて砂利を回収する方法もあります。

天然ダイヤモンドの採掘現場は危険と隣り合わせ。
エリアによっては不当な児童労働がまかり通り、事故による負傷も起きているのが実情です。

ダイヤモンドを含む鉱物資源が豊富な一部の国では、ダイヤが利権を争う内紛の原因となったり、軍事活動の資金源になったりしているとの指摘もあります。

成分と輝き

ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドは、成分上の違いがありません。
炭素からできている点はもちろん、電導率・硬度・屈折率といった数値もすべて同じです。

ラボグロウンダイヤモンドの目を見張るような美しい輝きは一目瞭然ですが、それはきわめて純度が高いとされる天然ダイヤモンドに比して引けを取らない純度を誇るため。

窒素やホウ素を含むこともある天然ダイヤとは違い、ラボグロウンダイヤモンドは不純物を含ませないように生成することができるのです。

モアッサナイトや
キュービックジルコニアとの違いは歴然

「ダイヤモンドの代わり」のように身に付けられることもあるのがモアッサナイトやキュービックジルコニア。
ラボグロウンダイヤモンドが、こうした類似石と混同されることもしばしばですが、その差は歴然です。

モアッサナイトとは?

モアッサナイトとは、もともと自然界のものですが、現代ではほとんど採取できない鉱物ですので、現在市場に出回っているのは人工的に造られたモアッサナイトです。

原料は炭化ケイ素で、ダイヤモンドを凌ぐ光の屈折率を誇ります。硬度も非常に高く、もともと工業利用がさかんな宝石です。強い輝きを放ちながらも、価格は天然ダイヤの1/10程度。

類似石として優秀ですが、「模造ダイヤモンド」のイメージが定着しています。

キュービックジルコニアとは?

キュービックジルコニアとは、二酸化ジルコニウムを原料とし、カルシウム・マグネシウム・イットリウムといった添加物を加えて生成する人造石です。

屈折率が高く、見た目はダイヤモンドによく似ています。

価格はモアッサナイトと同程度ですが、それゆえ「ダイヤモンドの代わりに買う石」として、モアッサナイトの比較対象となりがちです。

モアッサナイト同様、同類と見なすための前提となる科学組成がダイヤモンドと異なるキュービックジルコニアは、やはりダイヤモンドの模造石として認知されていると言わざるを得ません。

価格

ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドの1/2ほどの価格帯がメイン。
本物のダイヤモンドでありながら、値段を取り沙汰しては「お手軽なダイヤモンド」と称されることも珍しくはありません。

最高級ジュエリーの代名詞となっている天然ダイヤモンドが高額である理由は、希少性の高さの裏づけというのが一理。
しかし、市場の背景では、天然ダイヤの高額を維持するための価格調整があると囁かれているのも事実です。

ラボグロウンダイヤモンドの“プライスレス”な価値とは?

ラボグロウンダイヤモンドは、比較的手を延ばしやすいプライスが魅力のひとつです。

ただしラボグロウンダイヤモンドは、「天然ダイヤモンドが欲しいのに高額で手が出ないから買う代替品」では決してありません。
ラボグロウンダイヤモンドは、不当労働にも環境破壊にも与せず本物の輝きを手に入れる唯一の手段、という価格のつけられない価値を持ちます。

2つのダイヤモンドの鑑別方法

ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドを正式に鑑別することは可能です。
しかし、この鑑定は鍛錬を重ねた専門家であっても難儀するほどの高等技能を要するとされます。

専門家も見た目だけでは識別ができず、専用機器にかけられてようやく天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドは、その”違いなき違い”を認定されるのです。

今回のまとめ

ラボグロウンダイヤモンドを一般的な類似石と同じようにとらえると、その価値を見失うでしょう。

ラボグロウンダイヤモンドは「天然ダイヤの代わり」という消極的理由で手に取られません。
地球環境の悪化に歯止めをかけたい、しかし、本物の輝きを身に纏いたいという気高いジュエリーファンから積極的に選ばれるのです。

ラボグロウンダイヤと天然ダイヤの違いは、それぞれが持つ価値にあり。
自分の意志を纏うように、次世代のジュエリーを纏ってみてはいかがでしょうか。

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